A Tsuchihashi Masahiro film

TRUTHS: A STREAM

自主上映への道

北九州市の小松さんが綴る、自主上映実現までの記録

ありがとうございました


2002年1月22日

全くの素人が、多くの方々のご協力を得て、何とか、無事上映会を開催することが出来ました。

スポンサー様、私の我侭に付き合って協力してくださった方々、御来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。 そして、当日会場にいらしていただいた槌橋監督、こちらの懐事情によりお招きできなかった吉川プロデューサーにも大変お世話になりました。

開催前は集客で不安な日々を送りましたが、「スゴク良かった」との感想をある方より頂き、「やって良かった」という充実感が身体の中を駆け巡っています。 先に申しました通り、スポンサー様にも助けていただきまして、予算的にもギリギリセーフ(笑)のようで、多少なりとも次に自主上映される方の参考になればと思っております。

もし、これから自主上映をしようと考えている方がいらっしゃいましたら、ご連絡頂ければと思います。微力ながらご協力させていただきたいと思います。

皆様本当にありがとうございました。

小松秀博



フライヤー完成!

 

11月某日

先月末にフライヤーもあがってきたので、早速配り始めた。
出来上がったフライヤーを見て、イメージした色と全然違うので、ちょっと(・・・ 相当)ショックだったのだが・・・ とにかく、思い当たるところ全てに配る。 また、僕がカバーできないところは友人に頼んで配ってもらうことに・・・。

あと、福岡県内と近県の映画関係のHPを発見してはBBSに告知。 12月の知人のイベントにDJとして出演させてもらい、そこでトレーラーを流させて もらう事に決定。 メディア関係は直前のほうが良いと言われたため、ぎりぎりまで待つことに。

宣伝を開始すると、宣伝をしてくれる方々から「本編を観たほうが宣伝しやすいので ・・」との反応が。 監督さんに許可をもらい、本編をコピーし、貸し出すことにする。
レンタルビデオと違い、次の日に帰ってくるということは先ず無い(笑)。 みんな仕事が忙しいというのもあるのだろうけど・・・。 それよりもやはり、内容と上映時間によるところが大きいのだろう(推測)。

現在、「瞑想ビデオみたいだね」という、僕にとっては少々不可解な感想を述べてく れた方、 途中でギブアップされた方、など、どちらかといえば不利(?)な状況にあるような 気がする。

そんな中、フライヤーを持って行くなり「小松さん10枚買うよ、チケット持ってき て」なんて事を言ってくれた方も!!!
どのような作品かを聞かずとも(監督さん、ゴメンナサイ)、 僕がやる上映会なら・・ということらしいのだが・・・素直にしかも猛烈に感動し た。

気がつくともう2ヶ月しかない! 嗚呼!どうにかなるのだろうか・・・

フライヤーを創ろう!

10月23日

フライヤーがようやく出来上がり・・というよりは自分のセンスの無さを自覚し、時 間的なことも考えて・・・印刷に出す。

仕事の合間を見つけてチョコチョコと作っていた。 パソコンで、デザインでは有名な某ソフトを使って、分からないところは友人にたず ね・・・ 表面はシンプルに、タイトルと作品のデータ、それと、僕の好きな台詞を並べて、画 像を配置してすぐ完成!

で、表裏モノクロでは寂しいので、せめて表は2色(予算的にも)!ということで、 タイトルだけは色をつける こりゃぁ、すぐ完成するな、意外と簡単ジャン・・・・

問題は裏面だった・・・

取り敢えず、必要的記載事項を並べてみる。
会場、日時、問い合わせ先、会場へのアクセス、チケットの料金及び販売方法、主催 者名、協賛、協力、ストーリー、 作品に対する賞賛の言葉、画像・・・・・・
嗚呼嗚呼っ!!!

これらを効果的な位置に配置し、映画のチラシらしく見せるには・・・・・・・・・ ・・
嗚呼嗚呼っ!!! スペースが足りんんんんんんんん!!

等と悩むこと数日間・・・ そうか!! アート・オブ・ウィズダムHPのアドレス書いて、残りはそこで見てもらえば良いん ジャン!!俺ってアッタマイイ!!

なんてバカな独り言を言いながら、記載事項を減らすことに・・
それでもまだゴチャゴチャしてるなぁ・・・ ・・・・・

気がつくと10月23日、印刷出さなきゃ!

デザインに完成が無いことを初めて知り、納得率78%くらいで印刷に出す。
妥協を全く排して創られた監督の作品の上映会のフライヤーが、 22%ほど妥協して印刷されることに後ろめたさを感じつつも印刷屋へ・・・

サンプルを出力してもらい、紙の厚さとタイトルにつけた色の指定をして(これも結 構悩んだなぁ) 3000枚(A4サイズ)、約5万円也で発注、出来上がりは来週月曜とのこと・・ ・

出来上がりを監督さんに見てもらうのが怖いなぁ・・・

23/10/2001

 

 

上映会場決定!

9月9日

上映会を来年の1月20日に決め、会場の申し込みに行く。
具体的にどれだけ費用がかかるのか、キャンセル料は等々の説明を受け "これで完全に後には退けなくなってしまった。"などと、今更ながら思った。

チケットも幾らにするか決めていなかったのだが、申し込みに際して記入しなけれ ば ならなかったので、 勢いで(しかも強気に)
"前売り1600円、当日1800円!"
とか言ってし まっ た。 大丈夫なのだろうか・・・・

会場、日時、料金が(勢いで)決まったので、フライヤーの必要的記載事項は協賛 (スポンサー)を残すのみとなった。 これが一番難しそうなんだけど・・・・

 

 

東京へ…

9月18日

本業の関係で上京 建前ではそうなのだが、本心はAOW事務所に伺って、監督さんをはじめ、スタッフ の 方々にお会いするのが目的。

16:30都営丸の内線南阿佐ヶ谷駅付近でスタッフの村松さんと待ち合わせ。 場所がずれたが、無事お会いすることができた。 で、事務所まで案内していただく。住宅街、公園を歩くこと20分くらい。 "ずいぶん遠いな、しかも東京は熱いじゃないか"などと失礼なことを思いなが ら、 とあるアパートに到着。 そう、アパートの一室が事務所兼監督さんの住居だった。

もう少しかっこよいところを想像していたので、少々意外な感じ(ゴメンナサ イ)。

監督さんはヘンリーネックのTシャツにジーンズというラフな格好で、にこやかに 出 迎えてくださった。 HPやスタッフの方とのメールの中で、"あっちで怒った、こっちで怒った"なんて お 話を伺っていたので、 きっと気難しい方なんだろうと思って相当緊張していたのだが、またもや少々意外 な 感じ。

僕が主催する上映会についての大まかな説明をさせていただき、その後、各地での 上 映の実態を伺う。

僕の予約した会場は、札幌、綾部よりも大きいことをここで知る・・・・ "嗚呼、既にヤバイじゃないか・・・"なんて思ってるところに携帯が・・・ "誰だよ"と言いつつ(すみませんでした!)見ると、プロデューサーの吉川さん ! で、19日に銀座でお会いする約束。

フィルムの現物を見せていただいたり、 裏話を聞かせていただいたり、 隣の部屋の壁に賞状(多分ベルリンのだと予想)が掛けてあるのを発見したりする う ちに 時は過ぎ、おいとまする時間になる。

本編・予告編のビデオ、スライドをお借りして。 監督さんには玄関の外までお見送りいただき感激。 監督さん自ら淹れてくださったコーヒーも感激。 再び村松さんに案内していただき、バスに乗る。

監督さん、村松さん有難うございました。
バスの中で決意を新たにしつつ、友人の待つ吉祥寺へ "飲むぞ!"(笑)

30/09/2001

 

会場を探そう!


8月7日(火) 提示された条件(35ミリの映写機が設置されているホール、または35ミリ 映写機をレンタルして設置できるホール。音響はドルビーSR、 できればサラウンドスピーカーあり) を元に早速行動開始。

先ずは35ミリの映写機を持っているハコを探す。
映画館と地元デパートのイベントホールのみ。
アクセスの良さ、レンタルを前提としていること等から、 イベントホールのほうへ話を持ちかける。

男性の担当者から電話をもらう。 丁寧な物言いの影に見え隠れする力強い意思に気圧されそうになるも 言いたいことは何とか伝えることが出来た・・・・と思う。

ということで、資料がそろった上で担当者と会うことになる。
その間、いろいろな方面から根回し(悪)をしておいたほうが良いと考え、 地元タウン情報誌に連載ページを持つ友人にも参加を要請する。
・・・・・・・快諾(ありがとう!)。

彼はイベントホールの担当者とも面識アリ!地元FM局ともコネクションが!!

先日、九州各県のタウン誌にコネクションを持つ女性と知り合った(偶然!)ことを 思い出す。 彼女にも事情を説明したところ、協力してもらえることになってたっけ・・ ただ、お酒の席での話なので、ちょっと心配・・覚えてるかな?
後で電話してみることにしよう。

なんか人に頼ってばかりだなと、後ろめたさを感じつつ、 僕は、必要費用を概算し、協賛先を探すことにする。

何か、だんだん話が大きくなってます。
大変なことを始めてしまったという実感が押し寄せてきています。
で、大きくなればなる程、自分の力は微々たるものであること、 人の善意の大きさ・有難さを身にしみて感じます。

皆さんに感謝です。   



8月27日(月) 今日、借りる予定にしているホールの担当者と、砂田君(友人)の仲介でPM7:00に会う予定。

北九州音楽祭(だったと思う)の一環として、ケイ赤木さんのトリオによるラ イブが行われるらしく、会場の下見と担当者との顔合わせをかねて行かないかとの誘いだった。

僕は仕事を無理矢理6:30に終わらせ、身支度を整えて現場に急行。
・・・が遅 刻してしまった。 恐る恐る会場に入ると、ライブのファーストセットが始まったばかりで、どう やら一曲目の途中らしい・・ しかし、どんな会場か・・そればかりが気になって音が耳に届かない(ゴメン ナサイ!)。

座席は?、映写室は?などと見回していると砂田君が現れ、彼のいるところまで連れて行かれる。 座席に着いて、「さあ、ゆっくり下見を・・」と思ったそのとき 2曲目、マイルスの”MILESTONE”だった・・・・・・ぶっ飛んだ!

そう、このとき自分が何をしにきているのかってことまで”ぶっ飛ん”でし まった。 ファーストセットが終わるまで・・

ホール担当の柳さんは、笑顔が印象的な物腰の柔らかい男性で、年齢も僕とそ れほど違わないようだった。 もう一方女性の担当者の方(お名前失念申し訳ないです)とお二人で応対して いただいた。

ホールとその設備の概要、映画の上映に必要なことを、前例を挙げていただき ながら丁寧に説明してくださり、 全くの素人である僕にも、ようやく映画の上映がどのようなものか、おぼろげ ながらイメージできるようになってきた。

僕は、届いたばかりの資料(各種メディア掲載記事、評論)を開き、 槌橋監督の作品に関する事実を伝えた。 そして"僕がただ観たいだけ"で、なぜ自主上映なのかということも・・・    

あっという間に時間が過ぎ、気がつくとライブ終了の時間が近づいていた。 柳さんと女性の方(重ね重ね申し訳ないです)は職務に戻らなければならない 様子だったので 僕らが上映会の具体案をまとめ、形になったところでもう一度お会いする約束 をしてホールを後にした。    
貴重なお時間を頂きありがとうございました。

外に出ると少し肌寒く、秋の気配がしていた。  

27/08/200

 

僕を突き動かした監督の言葉


何処からか何かを嗅ぎつけて、自分の感性で探し出していく労力を惜しまない、 そんな姿勢が薄れつつあります。
与えられた情報の中を泳ぐことで、安心してしまう私達。

これでは感度の高い人間なんて育たないですよね。
育たないから、画一化された情報を提供すればよしとされる・・・ 悪(?)循環が出来上がってるような気がします。
この循環をどこかで断ち切らないと状況は変わらないと思います。

ただ、地方にいてこの状況を何とかしたいと思う人達ですら、感覚的な物事について思索し、他人と語ることを嫌う傾向があります。

多分、自分の感覚的な部分に触れられることに対する反応だと思うのです。

先ず感覚で捉えるべきものに遭遇した際に、他人はどう捉え、なぜそのような捉え方をしたのか?

それを知るには思索し、当該他人と語らなければならない。

語るためには、自分の感覚を言葉に変換した上で、他人にさらさなければならない。

誤解され、傷つけられるのでは・・・・それは避けたい。

だから語らない。 思索しない。

感覚も思索も言葉も、成長の道を閉ざされてしまう。

ゆえに自分の感覚、思索の範囲を超えた小難しいものに関しては、
「無反応 」もしくは、それに準ずる反応しか示せない。

よく”価値観の違い”という言葉が免罪符のように使われてるのを耳にしますが、その違いとは思索と語ることなしには解り得ないのではないでしょうか?
ここの悪(?)循環も断ち切らなければならないのではないかと思います。

監督のインタビューに下記のようなくだりがありました。

「まずは、愛情なり憎しみなり、感情的なことをすべて論理的に語る、理性で語る、 という風に変えようと考えたのです。

それに近年、物事を思弁的に語るということが忌避されていて、思索的活動が侮蔑される傾向にあって、特に映画ではそのような表現 は絶対的に排除されます。

これは映画というメディア全体を支配しているファシズムなのです。
もっと映画 は自由であってもいいのではないでしょうか。

世界的な批判を受けることを覚悟の上で、映画を徹底的に自由にしようという意図で、 敢えてあのような言葉で語らせたのです。

スーザン・ソンタグは、このような時代だからこそ、複雑なことを安直に解り易くしないで、 はっきりと明確に語るということが必要であると言っています。
ふさ わしい内容にふさわしい言葉というものがあると思います。」

僕自身、こちらへ帰ってきて4年近くになるのですが、語ることが出来ず、仕事に追われ、 思索もままならず、成長が止まっていたような気がします。

この言葉が僕を自主上映興行へと突き動かしてくれたのです。

01/08/2001


観たい映画は何としても観るべきだ

 

札幌で上映会を実現させた俵屋さんのホームページを見て、その情熱に「参りました」とつぶやいてしまいました。
”普通の”映画好きという程度で僕なんかが自主上映興行をやれるのか、とかなり心配になります。

ただ、周囲に話を持ちかけたところ、かなり良い反応が得られ、協力してくれる人たちも出てきているので、 彼らの力を借りつつ、是非実現したいと思っております。

観たい映画が、単に”地方に住んでいるから”という理由で観ることが出来ないのは凄く悔しいのです。

ホントは僕なんかではなく、地方の映画に携わる人たちがちゃんとアンテナを張って、興行的に見合うスケールでやるべきだとは思うのですが・・

僕が東京で学生をやってたときに、ジョン・カサヴェテス監督の作品を各映画館が持ち回りで上映するという企画があり、殆ど観に行きました。 中でも一番印象に残ったのは”ラヴ・ストリームス”でした。 3、4年前にこちらに帰ってきて、久しぶりに”ラヴ・ストリームス”を借りようと、レンタルビデオ店を何店か回ったのですが、無いのです。

それから、仕事の合間にずっと探しつづけました。ネットでも探しましたがありません。 もう殆ど諦めかけていたところ、つい先日古本屋の片隅にぽつんと置いてあるのを見つけたのです。迷わず 購入しました。

見つけた瞬間は絶句しました。 ホントに”ラヴ・ストリームス”なのかと、何度も確認しました。 価格を見て狂喜しました(780円税抜)。 嬉しくて古本屋のおじさんに、僕がそのビデオと出会うまでのストーリーを無理矢理 聞かせてあげました。 その晩観て泣きました。

観たい映画はなんとしてでも観るべきだと思いました。
”TRUTHS: A STREAM”、ぜひ観たいと思います。

25/07/2001

 

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