「TRUTHS:A STREAM」撮影レポート(2)

テスト撮影の実施
撮影の実際の現場の山の中の現場でテスト撮影は、始まりました。現場は長野県諏訪郡富士見町入笠山の湿原です。この過程の後にラッシュ試写の後、技術の問題を感じ始めました。

大問題の発生
試写の後 デリケートな映像の確認の中で感度の安定的把握の為今までの計測法へ再認識への始まりとなりました。テストの数値上で割り出した露出値と人間の見た目の映像認識の誤差。 今回撮影が140日間かかった理由の一つは、上記の原因があったと思います。槌橋監督は、美意識に純粋な映像感を持っていて力づけられる撮影生活になり、ここで槌橋監督に感謝の気持ちを表したいと思います。
全体映像を18%グレーに設定する平均露出法と、反射露出計中心の計測法を基本に露出値を決定していきました。入射計は、カラー撮影の時と違って背景の色相の影響を予想以上に受け、その分の判断の上の露出値の設定になりました。

このレポートに添付している写真は 現場で撮影したポラの写真で使用カメラはFUJI FP-1 使用フイルムFUJI EP-400B5です。

机上のファクターから実際のファクターへ
オープン撮影中心の今回の撮影で撮影者として楽しくもあり難しかったのはフイルターの使用です。濃度の低い青空と太陽光の反射した濃度の薄いリーンと蕪を引いた状態のフェースとのワンフレーム上での成立には、フイルター無しには撮影できません。補色関係の反対の色相のフイルターが反対色の色相に効果があり、カラーの場合のマジックアワー時のラチュウドにはまる撮影の考えかたのように設定できる訳です。ですから青空は赤いフイルターがもっともきき、フエースには 薄いグリーンがききます。私は、現場の青空の濃度に感じてロングショットの撮影はとくに楽しい撮影でした。問題はそのファクターの設定です。現実の可視の映像の世界での色相に対する判断でファクターの読みは、大きく変わってきます。すなわち効果の期待する色相に対して効き 効果の無い色相には、単にアンダーとしての効果しかありません。フレームの中の色相の構成比を考えなければならないのです。赤/朱/緑/ の色のフイターが白黒撮影の基本のフイルターになります。現実に判断の行き詰まった時は、ポラの撮影結果を参考にしました。(使用フイルムFUJI EP-400B5です。)しかしポラは所詮ポラであり過信は禁物です。それは、動画と一枚の写真にある印象の根本的違いです。動画は あくまで狙いの部分に感情や思考が行き一枚の写真はその全体映像に関心が向くからです。そのカットに表現したい中心は何なのかを考えればおのずと結果に向かうはずです。何回も監督の作者としての指摘に導かれ撮影を継続できまた。監督の言ってる無照明とはライトを使用しない撮影ですが それにもましての判断は、撮影していい現場の選択であり、自然条件の撮影へのマッチする瞬間をどのように判断するのかと言う事です。自然界の配光の中にどのように人物を配置するかは 監督の繊細であり光りと闇を芝居に利用する狙いは撮影者として楽しい思いです。

1 S#9A-2  使用レンズ 5.9mm 7231-959-0401
左のグリーン13EV 白い空15EV〜16.3EV
フイルターYA3(ケンコー)  
太陽の当った部分 14.6EV  入射計320FC F=13
レンズ F= 8+
反射計でフイルターのファクターを計測
現像場での濃度計測よりだいぶ違う
青の色相に対しては2.3絞りのファクター
白(無彩色)に対しては、1絞りのファクターと計測されます。茶色の色相に対しては、0.6絞りのファクターでした。使用したケンコーの取説は、2絞りと書いてあります。判断として青の占める部分が40%と考え道は25%と考え 緑の色相は、10% 空の白が25%と考えました。フアクターは1.6絞りと考えました。直読ASA25と考えました。左フレームの暗部を考慮して ラチュードに入れ込む考えでレンズFは8に設定しました。無彩色へのファクターと色相に対するファクターは大きく違います。緑の色相は判断が難しい色相です。濃い色と淡い色に対しては、フアクターが大きく違うのです。
2 S#-10-9  使用レンズ 5.9mm
7231-959-0401
使用フイルターR1
ケンコーの公称フアクターは3絞りとなっています。

3 S#10-1  使用レンズ 5,9mm
7231-959-0401
使用フイルターR1
ケンコーの公称フアクターは3絞りとなっています。

4 S#19-1
7231-959-0401
使用フイルターR1
ケンコーの公称フアクターは3絞りとなっています。
左の山の緑12EV 空の部分は、少ないのでファクターを低く設定しています。
ファクター設定1.3絞りとしました。
レンズF=5
自然の中での撮影に影響の大きい色相は、青系と緑系と茶色系の色相です。この色相の配分で使用フイルターの選択をしますが、逆に緑系だけ中心のハイコントラストの時は逆の考えとしてコントラストを押さえるフイルターを使用しました。グリーン系のフイルターは、柔らかい色調にもっていくことができました。上の撮影したカットは、赤/朱 系でコントラストを上げて撮影しています。その分レンズ絞りを開ける事ができました。ローの色相を基本に6番に設定して考え青空がその分濃くなると考えました。入射計の考えからすると1段〜2段〜3段と開ける場合に出会いました。
撮影の進行の中で私は 自分の設定している露出値に疑問を感じ始めました。1/3絞りアンダーに感じてしまうのです。撮影の途中で メインのフイルムのEKno7231のASAをD=50 N=32 と考えるようになりました。
次ぎにオープンナイター撮影の撮影の話しに移ります。今回の監督とのルックの設定で光源は、焚火とランタンを使用しています。
5 S#17-2 7222-226-0301 2分秒現像
この焚火にはまいりました。 可視の世界での煙りの世界と撮影した煙りの映像は、全然違う映像になりました。特に奥にランタンをセットした撮影条件ではランタンが逆光線になり考えている以上に煙りがたってしまい再撮になってしまうシーンがでました。監督の発案で薪は、茶道で使う小枝状の炭を使い煙りの出ないのを使うことで解決しました。
この一連の撮影は何本もTPを使い本番現像をしています。現像時間を短く設定しているので考えいる以上のローの部分の再現が得られました。すなわち6番より下の部分が再現できています。上の写真は、ポラですので映画の映像は 地面が写っています。

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